静かなエンジン音だけが響く空の上。
今回の旅は、大分県中部――山と湯と海が調和する、美しい土地をめぐります。
離陸は大分空港。
機体は東へ進み、豊後富士・由布岳の雄姿を正面にとらえます。
山を越えた先には、湯けむりの街・由布院。
金鱗湖に映る由布岳の姿は、まるで空と湖が溶け合うよう。
そこからさらに南西へ。
深い森の中に隠れる「由布川峡谷」――
長い年月をかけて水が彫り上げた、静寂の渓谷。
地上からは見えないその姿を、空から静かにたどります。
そして、夕陽に照らされる真玉海岸。
潮が引いた干潟が、まるで鏡のように空を映す。
日常の終わりが、こんなにも美しい場所がある。
夜が近づくころ、機体はくじゅう連山へ。
運が良ければ、雲海が大地を包み込み、
山々が浮かぶ“空の海”に出会えるかもしれません。
最後に見えてくるのは、湯けむりと夜の光が混ざり合う別府の街。
静かな光景の中に、人の営みの温かさが息づいています。
――自然と人が寄り添う、大分の空へ。
今宵も、美しい日本の風景を、空から見つめていきましょう。




